Index>>>■Other>>>■地方私鉄で良く使用された機器のリスト
■はじめに
 現在では大手私鉄やJRの譲渡車を中心に運用している地方私鉄の車両ですが、かつては自社発注車や車体のみを新製して機器類は他車と使いまわすなど、随所にオリジナリティあふれる車両が活躍していました。
 ここでは、そんな地方私鉄でよく使われた機器類についてまとめ、架空私鉄の創作者(というか自分)が参照しやすいようにリスト化したものです。
 なお、当然ながらこの例にあてはまらない車輌も存在するので、汎用品とは違う機器類を搭載した車両たちの在籍する架空鉄道も、逆説的に考えられるのではないかと思います。
 誤りがある場合もありますので、この資料を一次資料とする使い方は避けたほうが無難です。

■主電動機
WH556-J6(米ウエスチングハウス製 出力75kW 回転数985rpm 国鉄形式MT33)
高速性能に優れた電動機で、1920年代から搭載車があり、まだ国内の電機メーカーに信頼がおけない中、WH製制御器と共に搭載されるケースが多かった。回転数は高いが出力は低めで、平坦な路線を持つ会社に採用例が多い。また車体更新などで見た目が変わっても、信頼性の高さからか引き続き使用されるケースも多かった。
 採用例:愛電電7(名鉄3200)、東武デハ1・2、西武モハ150、長電モハ100、新潟交通モハ10など

MB98A(三菱製 出力75kW 回転数890rpm 国鉄形式MT34)
上記WH556-J6のコピー製品だが、オリジナルよりも低品質とされ、例えば名鉄などでは琴電譲渡車に搭載されているWH556-J6と他車のMB-98Aを振り替えて放出するという嫌われぶりであった。しかし定格回転数がオリジナルよりも低いということは強トルクで、高速性能には劣る反面パワーはあり、勾配のある路線や貨物牽引の必要がある場合などは優先的に残される例もあった。
 採用例:名鉄3700系列、一畑デハ1、デハニ50、上田交通モハ5250
※なお、WH556-J6のコピー品としてSE132-B(芝浦製 出力75kW 出力985rpm)がある。

GE-244A(英ゼネラルエレクトリック製 出力85kW 回転数890rpm 国鉄形式MT4)
鉄道省モハ33500(後のモハ1)の搭載が有名な製品で、国内ライセンス生産品であるSE-102とあわせて多数が国内で使われたが、モハ1は主制御器の関係で後に作られた車両とは混結できずに私鉄に放出された例が多く、各地で見ることができた。特に西武鉄道は焼け電の購入などである程度の数を持っていたようで、所沢工場の手が入った車両に多く搭載されていた。
 採用例:西武311・371、一畑デハ70、山形交通モハ100、南海1521、上信電鉄デハニ1・デハ3など

MB64C(三菱製 出力60kW 回転数不明)
古くからある国産モーターの一つで、三菱の独自開発製品である。制御器やパンタグラフなどとセットで納入された例が多い。三菱製のパンタグラフは他に比べて巨大で、容易に見分けることができた。
 採用例:小田急デハ1100、鶴見臨港モハ110、上田交通モハニ4250、伊予鉄道モハ100など

TDK-31C(東洋製 出力63.4kW 回転数865rpm)
イングリッシュエレクトリック製DK31のコピー品で、ライセンス生産品であるTDK-516(名鉄の大量採用が知られ、他に帝都100が使用)とともに大量に生産され、後に多くが地方私鉄に放出された。これといって特徴のない汎用的なモーターで、それほど高速性能を必要としない鉄道で多く用いられた。
 採用例:京王14m車のほぼ全て・近鉄木造車・蒲原鉄道の全車・三岐モハ100・静鉄クモハ100など

TDK-528/5-F(東洋製 出力93kW 回転数950rpm)
東洋電機の誇る電空カム軸用傑作電動機で、1928年から戦後まで製作されたロングセラー品。型番違いの製品が数多く出ており、基本性能は変わらないものの高回転型や出力アップを図ったものなどバラエティに富む。上で示したものは名鉄モ800に搭載されていたもの。戦後に運輸省規格型車として機器類の選定が行われた際も本機種が選ばれ、大量導入した名鉄や東急をはじめとして各社に渡り、平成になっても使用されていたものもある。
 採用例:名鉄800・3300・3800、東急3700・3800、伊勢電のほぼ全て、近鉄6311、東武5300・5700、富山地鉄14750など

MT15(国内各社共作 出力100kW 回転数653rpm)
モハ30用として大量量産された電動機で、前世代のモハ10の搭載機器を各社で競作にかけ、その実績をもとに日立製MT7をベースに各メーカーと国鉄技術部で共同設計を行って登場した。私鉄へは西武や東武、東急などのように戦災車の引き取りによって譲渡が行われたため、特に西武所沢工場が手掛けた製造車や17m払下げ車などに多く見ることのできるモーターである。また、弘南鉄道や上毛電鉄のように戦後しばらく経ってから搭載車を国鉄から購入した例や、電鉄近江鉄道などのように解体を請け負ってパーツをストックした例もあった。
 採用例:国鉄モハ30、西武351・501・551等、近江220・弘南や伊豆箱根・上毛などの国鉄出自車など

HS-267D(日立製 出力95kW 回転数1000rpm)
あまり広く用いられたモーターではないが、戦前製としては異例の1000回転を越える高回転モーターで、主に東急と京王で採用例が見られるモーター。高速運転に特化したモーターで、架空鉄道で使用する際には東急との関わりか、日立製作所との蜜月的な関係について考察する必要があろう。十和田観光鉄道で多く使用されたHS-266Cr(東武デハ10などに採用された高回転型モーター)も日立との関わりの深い同社故のモーターであった。
 採用例:東急3450・京王1700・備南1000


■台車
D-16(日車製)
傑作台車と呼ばれるボールドウィンAA型台車のコピー製品で、D型台車と単に呼ばれることもある。心皿荷重上限によりより軽量なものから順にD12〜D-20まで各種あるが、このうち最も地方私鉄で用いられたのはD-14とD-16であった。AA型台車は鋼材を曲げ加工したものと弓形の釣りあい梁をボルトやナット、溶接で組み合わせたもの。D型台車の形状は弓型の釣りあい梁を持つAA型台車をほぼ踏襲しており、後年になってコロ軸受けに変更された車両も多数存在する。
 採用例:枚挙にいとまがないので略

KS-33L・E(住友製)
こちらもボールドウィンAA型台車のコピー製品だが、鋳鋼技術に優れたことからA型台車の弱点であったボルトやナットの弛みについて、鋳鋼部品によって一体化することで保守性をさらに上げた製品。そのため、AA型台車のコピー製品だが、その形状はかなり異なっている。
 採用例:東武、阪急、東急(3450を除く)・阪急など各社

Brill27MCB(米ブリル社製)
米国では著名な車両メーカーのブリル社だが、日本では台車が多数輸入、もしくは日本製鋼でのライセンス生産、あるいは各社によるデッドコピー品が大量に使用され、台車メーカーとしての印象が強い。本体を型鍛造とするため鉄の曲げ加工によって本体を作るボールドウィン台車と比べるとコピー品の作りやすさからシェアはボールドウィン系列の台車にトップを譲るが、それでも良好な乗り心地と扱いやすさから平成まで生き残ったものもある。
 採用例:枚挙にいとまがないので略

TR11・DT10(国内各社製造)
原形は鉄道院で設計された明治45年式台車で、ルーツからさかのぼっても国産技術で設計・開発された台車。のちにTR10、TR11、TR12と発展していき、一時は国鉄のボギー台車のほぼ全てがこの系列の台車であったと言っても過言ではない。釣りあい梁式の形状を持つが、AA形や27MCB型と比べると乗り心地や保守性に関しては一歩劣っていた。私鉄でも同じ台車を新製時に装着する例があったほか、戦中戦後に国鉄からの放出品を取り付ける例も多かった。特に西武では戦後に多数のこの系列の台車を大量に購入しており、自社車両の他所沢工場で製造された車両にも多く装着されている。
 採用例:国鉄・西武・東武・東急など


■パンタグラフ

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■制御器


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